過日、小田急線内で男が無差別に人を傷付け、被害に遭った女子大生は重傷になるほどの刺傷事件が起きました。
逃げ場がない電車内で、乗り合わせた乗客が経験した恐怖は計り知れないものだったでしょう。当り前の日常が一変した非常に恐ろしい事件でした。
「幸せそうな女性を殺してやりたい」という男の動機からも、過去の不本意な出来事が積み重なった結果、女性を恨み憤激していたことは優に想像できます。
ただ、広い世の中にはこのように身勝手で自分自身を制御できない人間も居ますが、ほとんどの人は辛く耐えがたい状況であっても他人に危害を加えるようなことには至りません。
誰だって程度の差はあっても、何かしらの苦痛を抱えながら日々生きていて、表に出せないその苦しみを心の隅に押し込め、騙しだまし生きている人が非常に多いのではないでしょうか?
コロナ禍よりずっと前から、端からは判らなくても相当数の方が時限爆弾のような心を抱えて生きているのではないか、そんな風に思えてなりません。
苦痛と隣り合わせの現代で、理性という最大のストッパーも効かずに事件を起こしたということは、その他大勢の人々とは一線を画す決定的な要因が必ずあるはずで、余程、因縁が悪かったのであろうと推測します。
見た目は同じ人間でもどうしてここまでの運命差が生じてしまうのか、気学的に考えます。
幼少期の環境と運
当会の最大の役目は気学の研究と解明です。
お客様の鑑定や身の回りの様々な事例から日々研究しているのですが、その中で曾祖父である園田真次郎の時代には全く判らなかった新たな運命原因を後年になって発見しています。
そのうちの1つが幼少期の環境なんです。
警察や識者も、犯人の生い立ちや育った環境が少なからず犯人の人物像に影響を与えている、と認識しておりますが、これは当会からしても全くその通りだと考えます。
むしろ、少なからず、ではなく大いに影響する!との味方ですが。
なぜ幼少期が大切なのかと言うと、とりわけ年齢が低ければ低いほど子供の心は真っ新で、だからこそ育った環境の要素を乾いたスポンジのように全て吸収してしまうから非常に大事な時期なんです。
仮に真っ黒い水を吸い上げたとすると、水をギュッーと絞ってもスポンジは白から黒へと染色されてしまいますね。1度吸い上げた要素、即ち幼少期に受けた心の影響は大人になってからもそのまま残り続け、事あるごとに影響を与え続けることが事例からはっきりしています。
もちろん一般的な環境で育てば子供の心も特別問題なく成長することが多いですが、極端な環境に晒され続けて成長した子供は、物の見方や価値観が大きく偏ったり歪んだ大人になりやすく、柔軟な行動ができずに社会生活が上手くいかなかったり、壁にぶつかるとそこから自力で這い上がるのが容易でない傾向にあります。
そういった下地を抱えた人が、転居によって更に方罪(その人の本性に合わない転居で起こる運命原因)を積み重ねた結果、先のような事件を起こしたり、普通では考えもしないようなことをやってしまったとしても不思議ではありません。
転居による方罪は誰にだってよくあります。
しかし、それ以上に心配なのは、幼少期に育まれた心が広い意味で人生の出発点になり、そこから私たちの価値観や行動の選択が生れ、それが悪く影響すればやがては人生を誤る結果にも繋がってしまう可能性があることです。
気学と縁が生じ、後々、開運転居(その人の本性に合った転居をすること)をされたとしても、最初に吸い上げたスポンジの色が根本的に変わることはありません。
吉方の地に浴することは、私たちが取り得る開運策の中で最も有効であるには違いありませんが、その人に染みこんだ心までは一変させられないのも事実です。
それほど、幼少期に受けた影響は強力で甚大なのです。
環境に天地の差を生むもの
では、幼少期の子供の心に決定的な影響を与えるものとは一体何なのか?
もうお察しの方も多いと思います。答えは「人的環境」です。
人的環境の最たるものが親ですね。または祖父母。
親も祖父母もいなければ自分を養育してくれた人が人的環境として影響します。
よく学校の先生の影響を問題視される方がいらっしゃいますが、教師からの影響は二次的で決定的ではありません。
仮に、学校の入学方位が子供にとってたまたま非常に良くなかったりすると、自分を理解してくれない先生に当たってしまったり、(現在はないと思いたいですが)教師によるいじめを受けたり、友人関係で問題が起きたりとお子さんの心身が傷ついてしまうこともあります。
それでも、一般的な親なら学校側へ適切な対応を求めに行ったり、場合によっては抗議に行くことだってあるでしょうし、転校や不登校だって我が子を思えば甘受するしかないと考える親が大半でしょう。我が子を守るために最善を尽くす。これは親として自然な姿ですよね?
そして、自分のことで必死になっている親の姿は、我が子にちゃんと伝わります!
「どんなに外で嫌なことがあっても、親だけは自分を理解し受け止めてくれる」
子供自身がそう感じたなら、子供の心は歪むことなどない。そう感じます。
子供からすると、親というのはどんなことがあっても自分を守ってくれ、無条件で愛情をくれる存在であってほしいのです。
でも、全ての親がそうとは限りません。
親は存在していても親の役割を果たしていなかったり、親自身の極端に偏った価値観の中で養育され、抑圧された環境で自分を殺して生きていかなくてはならないなど、いわゆる毒親も存在します。
そういった苛酷な環境で育ってきた人は、表面的には問題なく大人になっても心の影響は残り続け、晩年になってもそれが尾を引くことさえあるのです。
「三つ子の魂百まで」とよく言ったもので、幼少期に受けた人的環境からその人の心が出来上がり、一生を左右する。その心を創るのは紛れもなく親であり、その親もさら毒親によって養育された可能性が高いという負の連鎖があるのです。
当り前でいい
子育てという日々の当り前の行いが子供の心を形成すると考えると、改めて親の責任も、恐怖すらも感じるかもしれません。
でも、特別に気負う必要もなく、我が子が活き活き暮らしているならそのままで大丈夫です!
親にできることは子供を見守り、子供から悩みを打ち明けやすい親子関係を小さい頃から築いていくこと、子供を否定せずにますは受け止めること、親の意見や考えは押しつけないこと…
そういった当り前のことを意識するだけで、もっと子供は親を信頼し穏やかで円満な心が育まれます。
親が変われば子も変わる!それが私の信条です。
とは言うものの、口で言うほど簡単にはいかないのも子育てですね。
親も人間ですからその時々で感情の波があって当然なのですが、それをそのまま子供にぶつけるのではなく、一旦深呼吸をしてみませんか?
どんな子に成長するのか?それは良くも悪くも親次第。
親がその子の一生を創ると言っても過言ではないくらい、子供の運に親が大きく関わっています。
愛する我が子が幸せになるために、もう1度振り返ってみませんか?