前回記事で書いたポジティブ/ネガティブについての続きとして、子供のケースを考えてみます。
我々大人でも物事をポジティブに捉えるのが難しいときも多々ありますよね。
決してネガティブ傾向が悪いわけではなくて、受け取り方の違いでストレス度合いも大きく変わるというものでした。
ただ大人は長く生きている分、様々な人生経験を重ねており、その経験からストレスは受けても相応の対応や判断を下せることも多いですよね。
一方、子供は年齢が低ければ低いほど人生経験が圧倒的に少ないものです。
問題にぶつかること事態が初めての子も多いでしょうし、中には青年期まで何事も順調だった方が突如大きな失敗や問題にぶつかると、想像以上に酷く落ち込んでしまうことがあります。
本人にとって初めて大きなピンチに遭遇するとショックもストレスも大きく、その問題にどう向き合ったらよいか、どのように壁を乗り越えたら良いのか解らず落ち込んだままになってしまうことも少なくありません。立ち直るまでにかなりの時間を要したり、場合によっては長く引きこもってしまうケースもあります。
そのようなとき、親目線から我が子を見ると
『もっとこうしたら良いのに…』
『そんなに落ち込むほどのことではないのに!』
と感じることもありますよね。
でも、それは親自身が人生に揉まれ、様々な経験から体得してきた結果に感じられること。
『今からそんなに落ち込んでいたら大人になったときにどうするの?もっと嫌なことが人生には山ほどやってくるよ!だから、そんなことで落ち込まないの!』
と親から励まされても、まだ心が成長途中の子供にはその意味を理解するのは難しいように思います。
大きな失敗をする、難題にぶつかる、壁を乗り越えなければならない、といった辛くしんどい経験を今まさに子供がしている最中です。
これから更に多くの経験を重ねて自然と理解し、ピンチに陥ったときの処世術やポジティブな捉え方を徐々に身につけていけば良いわけです。子供のうちから妙に大人びた処世をしていたら、それはそれで逆に驚きですからね。
親や祖父母の経験談は強要しない!
そうは言っても世の中には
『自分の子供時代は〇〇だった!』とか、
『辛いこともあったけど□□(親)はこうやって乗り越えた!だから〇〇(我が子)もそうやって頑張れ!』
と、自分の感覚や自己体験から自らの意見を子供に押しつけてしまう親や祖父母がいます。
子供や孫に諦めないで頑張ってほしい!そんな思いから出た言葉なのは理解できますが…。
でも、落ち込んでいるのに、
『そんなことではダメだ!もっと頑張れ!もっと強くなれ!』と叱咤激励されてもそれが心に響く子供は意外と少ないのではないでしょうか?
私が子供の立場だったら、『うるさい!黙ってて!!』と内心思うでしょう。
強く励まされるより、むしろその辛い気持ちにただより添ってもらえたほうがよっぽど心が落ち着くような気がします。
一番理解してほしい親や祖父母から意見され続けたら、子供は自分のことを全く理解してもらえていないと感じるでしょうし、ますます本音が言えない(言いたくない)存在となるはずです。
そもそも【親=子供】ではありません。
親世代が育ってきた昔と今では、学校環境や先生、日常生活に遊びなどあらゆるものが変わっています。親が通ってきた道(親からすると当り前のこと)が、現代では当り前ではないこともあります。
時代が大きく変わったこともあり、親が昔のままの感覚を貫いていると我が子との間に溝ができてしまうかもしれません。
さらに、祖父母の時代は尚更です!
夏休みに実家へ帰省した際、両親から孫の子育てに色々と口出しをされ、精神的にヘトヘトになったという親御さんのお話しを最近耳にしましたが、世代間のギャップというものはいつの時代も簡単には埋められないものですよね。
だからこそ、親が我が子を一番に理解してあげること、また子供の心が成長するのをじっくり待ってあげることが大切だと思うのです。
今を生きる子供たちは、親が育ってきた時代より繊細で難しい時代を生き抜かなければならなくなったようにも感じます。
それゆえに小さな失敗でも深く傷付き、他と比べて落ち込むことも多いでしょう。
それでも、『お父さんは解ってくれている…』『お母さんはずっと見守ってくれている…』と感じられれば安心感が生まれます。きっと時間はかかっても前向きに回復していけるはずです。
子供は心が未熟なのでネガティブ傾向のお子さんも多いものですが、親がどのように接するかで回復ペースも違うし、その後の経過にも大きく差が出ます。
それほど親の力は大きく、子供にとっては親が全てということです!
親も人間ですから毎日ポジティブでいられるわけがありませんが、自分のためにも子供のためにも極力前向きな捉え方で過ごせたらみんなが笑顔で幸せです。
明日から新学期のご家庭も多いのでしょうか?
これからまた慌ただしい日々でも、深呼吸をたくさんして頑張りましょう!
全国のお父さんお母さん、ファイト!!