一家で開運転居をする際、全員が吉方になったらどんなに最高だろうか…。
気学を伝える立場として、常にそう思うわけです。
けれども、生年月日が異なれば星命も異なるため、こっちを立てればこっちが立たず…という具合にご家族全員を吉方にすることが出来ない事案のほうが多いもの。
例えば5人、6人家族でも、たまたま星命が似ていれば全員が吉方になるラッキーなご家族もありますが、それはとても稀なケースです。
中には3人家族であっても、誰かが凶方になってしまう組み合わせもあるため、単に人数が多いから開運難易度が高いとも言えません。
できることなら全員を救いたい!でも、それが叶わない…。
そんな悩ましいケースに遭遇した時は、これこそがこのご家族の運命なんだな、と理解します。
その中で、100%の完璧は望めなくても、限られた選択肢の中でより良い開運転居へと導く。
正に、改運のトリアージを適切に見極め、ご一家の運が少しでも改善するよう誘導していくことが当会の役目です。
大凶の子供
一家全員が吉方にならないケースは実際かなり多く、ざらにあります。
ですから、そこまで深く考えることでもないのでは?と思われるかもしれません。
確かに多少の凶方は仕方ないですし、今回凶方になってしまうご家族も、今後単独で転居する可能性があればその時点で吉方を使えば良い!と割り切れます。
でも、持ち家転居だから再転居は難しい。また、転居しようとしているご家族それぞれが病気や障がいを抱えていたり、すでに大凶を長年使っていたり、どの方にも即吉方をお勧めしたい場合もあるのです。
その上、夫婦が吉方なら子供は大凶、子供に配慮すれば夫が大凶になってしまう。
そういった悩ましいケースも少なからずあるわけで、その場合には苦渋の改運トリアージをするしかありません。
では、誰を主体にして一家の運を改善させるのか?といったら、基本的にはその世帯の中心となる人です。
多くの場合、親が中心となりますから子供は吉方にならなかったり、中には大凶になってしまうことも少なくありません。
ただそうは言っても、お子さんの年齢や生活状況、そのご家族の現状によっては見方が大きく変わることもありますから、やはりケースバイケースというのが本当ところです。
先日鑑定申し受けた事案も、当初は特性をお持ちであるご子息優先の開運法で勧めよう!と考えていました。
けれども、お客様のお話を詳しく伺うと、寧ろご主人の方がかなりマズい状況であるため、ご主人主体の方法へと切り替えてお話させていただきました。
そのため、ご子息には大凶となるわけです。
誰かを優先すれば誰かが犠牲になる。
…いや、犠牲という表現は正しくはないですね。
どなたかに譲歩していただかなければ、そのご一家は救われないのですから苦渋の選択です。
そうなると親御さんとしては複雑でご心配でしょうが、仮に子供が凶方になったとしても、自分達親の運はそれ以上に重要だということなのです。
親の運を改善することは、結果的に我が子の運の落ち込みもカバーすることに繋がるからです。
子供の問題を抱えているなら、まず親の改運が必須なのです。
欲張りは上手くいかない
気学をやっていて、家族全員に吉方を使わせよう!とするなら、1回の転居では不可能です。
それならば、一家の転居を分割して、数回に分けて転居することで家族それぞれに吉方を使わせることができる!
そう考える方もいらっしゃるでしょう。
大昔、祖父や父もそう考え、家族全員に完璧な吉方を使わせるべく分割転居を実施しました。
でも、このやり方は理論上の吉方に過ぎず、結果的には大失敗に終わります。
様々な要素が重なり、私も含めて全員が凶方を犯すこととなってしまったのです。
そして、完全に失敗だったと判明するまでには実に20年も経過しているので、普通の方であれば分割転居が成功したのか?失敗だったのか?なんて判りっこありません。
何よりも家族を幸せにしたい一心で、一家全員の改運に拘っていた祖父や父からすると、わざわざ家族に凶方を使わせてしまったことは痛恨の極みであり、気学宗家として皮肉な話です。
これら失敗から学んだことは、欲張ってはいけない!ということ。
全員を救おうとして結果、失敗に終わるなら気学は無意味なものになってしまう。
だったら、欲張らず、堅く確実に吉方を使っていくほうが一家全体の延命に繋がり、改運レベルは何倍も上まります。
また、一般家庭であれば家族の分割転居なんて不便不経済で現実的ではありません。
私共が経験した失敗を回避するためにも、転居の際は改運トリアージをして、その中で最善の策を講じることが改運への近道なのです。